(自作の電気回路)

 

どうも、白滝です。

 

高校の電磁気学って、真面目に教えられてません。

 

計算に必要な解き方をチョロチョロっと教えて、問題を解かせてるだけ

ってのが私の所感です。

 

本質のとこがスッカラカンというか。

 

高校生を舐めているというか。

 

まあ、それには理由があるんですけど。

電磁気学の本質は、マクスウェル方程式だから。

どうでもいい話なんですけど、電磁気学の本質のところを辿るとマクスウェル方程式ってやつに辿り着きます。

 

大学レベルです。

 

大学で電磁気学を扱うと、まず最初に習うやつ。

 

電場 $\boldsymbol{E}(\boldsymbol{x}, t)$, 磁場 $\boldsymbol{B}(\boldsymbol{x}, t)$, 電荷密度 $\rho(\boldsymbol{x}, t)$, 電流密度 $\boldsymbol{j}(\boldsymbol{x}, t)$ を用いて、

$$
\begin{aligned}
\nabla \cdot \boldsymbol{E} &=\frac{\rho}{\varepsilon_{0}} \\
\nabla \times \boldsymbol{E} &=-\frac{\partial \boldsymbol{B}}{\partial t} \\
\nabla \cdot \boldsymbol{B} &=0 \\
\nabla \times \boldsymbol{B} &=\mu_{0} \boldsymbol{j}+\mu_{0} \varepsilon_{0} \frac{\partial \boldsymbol{E}}{\partial t}
\end{aligned}
$$

 

同じ意味で、この積分形と呼ばれるものがあります。

 

$$
\begin{aligned}
\int_{\mathrm{S}} \boldsymbol{E} \cdot \boldsymbol{n} d S &=\frac{1}{\varepsilon_{0}} \int_{\mathrm{V}} \rho d V \\
\oint_{\mathrm{C}} \boldsymbol{E} \cdot d \boldsymbol{r} &=-\frac{d}{d t} \int_{\mathrm{S}} \boldsymbol{B} \cdot \boldsymbol{n} d S \\
\int_{\mathrm{S}} \boldsymbol{B} \cdot \boldsymbol{n} d S &=0 \\
\oint_{\mathrm{C}} \boldsymbol{B} \cdot d \boldsymbol{r} &=\mu_{0} \int_{\mathrm{S}} \boldsymbol{j} \cdot \boldsymbol{n} d S+\mu_{0} \varepsilon_{0} \frac{d}{d t} \int_{\mathrm{S}} \boldsymbol{E} \cdot \boldsymbol{n} d S
\end{aligned}
$$

 

ね?

 

はあ?

 

ってかんじでしょ?

 

大学レベルの数学が必要で、高校生には難しすぎる。

 

だから、大学教授は「微分積分を使わずに」電磁気学を高校生に教えようとした。

 

アンペールの法則がいい例ですね。

 

$H=I/{2πr}$

$H=I/{2r}$

$H=nI$

 

って教えられるやつです。

 

これ、実は

$$\begin{aligned}\oint_{\mathrm{C}} \boldsymbol{B} \cdot d \boldsymbol{r} &=\mu_{0} \int_{\mathrm{S}}\boldsymbol{j} \cdot \boldsymbol{n} d S+\mu_{0} \varepsilon_{0} \frac{d}{d t} \int_{\mathrm{S}} \boldsymbol{E} \cdot \boldsymbol{n} d S\end{aligned}$$

の計算結果を持ってきただけ。

 

もっというと、

$$\begin{aligned}\oint_{\mathrm{C}} \boldsymbol{H} \cdot d \boldsymbol{r} &= \int_{\mathrm{S}}\boldsymbol{j} \cdot \boldsymbol{n} d S \end{aligned}$$

の計算結果ですね。

(必要な項だけにして、$B=μ_{0}H$を代入した)

 

つまりは、

 

公式ではなく、3種類の計算結果だけを与えられて、

これを使って計算してね?

と言われているんですな。

 

まあ、そんな大した話ではありませんが。

 

高校の電磁気学がどこか掴み所がないのって、大事なところを省略されているからなんです。

 

数学の力が足りないから。

 

いたるところを省略されて、解き方だけを教えられる。

電気と磁気の「物理用語」すら、ちゃんと教えられていない事実。

電磁気学は、電気・磁気という目に見えないものを扱います。

 

目に見えないものを計算して、値を出す。

 

物理学とは基本そういうものですが、

力学や波動よりも目に見えない度合いが高い。

 

力学は目に見える物体を扱う。

 

波動も波とは「媒質の振動」ですから、

目に見える粒子の振動を扱っている。

 

一方で、

 

電気・磁気は

目に見えない電荷・磁荷というものを扱います。

 

だから、見えないものを見るために、名前が付けられるんですな。(電磁気だけじゃないけど)

 

目に見えない電気というもの、磁気というものを見るために、名前が付けられました。

 

でも、そのお名前すら、高校ではちゃんと教えられません。

 

どういう理屈で、その名前が付いたのか?

 

その物理用語は、何を指していてどんな単位で表されるのか?

 

電磁気学においては、

用語がわかってない

という高校生が多すぎます。

 

だって、ちゃんと教えないんですもの。

 

教科書で、なんかバラバラに出てくる。

 

ピッピッピッって。

 

用語は出てきますが、整理されてないのです。

 

ネットで探しても、表に整理されているのは大学レベルの電磁気だけ。

 

高校レベルでは、

 

先生も整理して教えてくれないし、

教科書にも書いてないし、

たぶん塾や予備校講師も教えなかったんじゃない?

 

用語をちゃんと整理すること。

 

ホントはね

これが電磁気で1番大事なことなのに。(他の分野でもね)

用語を整理して、ちゃんと教えるってこういうことです。

電気と磁気は同じなんだ。

 

用語と単位をよーく見てみて。

 

電場[N/C,V/m]

磁場[N/Wb,A/m]

 

電束、電荷量[C]

磁束、磁気量[Wb]

 

電束密度[C/m2]

磁束密度[Wb/m2,T]

 

誘電率[F/m]

透磁率[H/m]

 

電気容量[F]

インダクタンス[H]

 

(高校で使う値と単位のみに絞った)

 

ね、わかるかい?

 

電気と磁気で出てくる単位は、同じ形をしているんだ。

 

電場[N/C,V/m]と磁場[N/Wb,A/m]

電場と磁場は重力加速度(重力場)gと同じ。

 

重力場g[N/kg,m/s2]:1[kg]当たりにかかる力の大きさ

電場E[N/C,V/m]:1[C]当たりにかかる力の大きさ

磁場H[N/Wb,A/m]:1[Wb]当たりにかかる力の大きさ

 

ね?

 

ちゃんと揃えてあるでしょ?

 

だから、電束(電荷量)と磁束(磁荷量)は質量mと同じ。

 

質量 m[kg]

電束、電荷量 Q[C]

磁束、磁気量 Φ,m[Wb]

 

電束・磁束というのは、向きをもった線の束のこと。

 

電荷量Qをもつ=電束Qが出せる、つまり、電束()をQだけ出す能力がある物体という意味。

磁気量mをもつ=磁束mが出せる、つまり、磁束()をmだけ出す能力がある物体という意味。

 

これ、意外と大事。

 

重力は線で考えないけど、

電磁力では見えない力を線で考えるからね。

 

電荷量と電束は同じ。

磁気量と磁束は同じ。

 

質量と電荷量(電束)と磁荷量(磁束)は、扱いが同じ。

 

電束密度[C/m2]と磁束密度[Wb/m2,T]

これらは、その密度のこと。

単位面積あたりを通り抜ける電束、磁束のこと。

 

見えない力を「線の密度」で捉えるのが電磁力だね。

 

誘電率[F/m]と透磁率[H/m]

誘電率、透磁率は線が通る「場」の定数。(係数)

 

これらを場(電場E,磁場H)にかけてあげると、電束密度,磁束密度になる。

 

電束密度D = 誘電率ε × 電場E

磁束密度B = 透磁率μ × 磁場H

 

そういう定数だと覚えておけばOK。

(詳しい意味は、大学レベルだから聞かないで。線が通る「場」の定数なのだよ。)

 

電気容量[F]とインダクタンス[H]

じゃあ、これらは?

 

電気容量は、どれだけの電荷を溜められるかということですよね?

インダクタンスは、、、、

 

うーん。

 

インダクタンスが難しい。

 

でも、蓄えられるエネルギーの話なら同じなんだ。

 

コンデンサに蓄えられる静電エネルギー

1/2 CV2

コイルに蓄えられる磁気エネルギー

1/2 LI2

 

ね?

 

同じでしょう。

 

1/2 CV2と、1/2 LI2

 

エネルギーとして見れば、形が同じ。

 

電気容量 C[F]

インダクタンス L[H]

は、

コンデンサ・コイルにどれだけエネルギーを蓄えられるか?の指標なのです。

そんでね、電気力線の立ち位置は特殊。たぶん、ゴミ。

電気力線。

 

私はダイキライです。

 

あなたも、嫌いになってください。

 

だってね、

電気力線のせいで、体系的な電磁気学がゴチャゴチャになってるからです。

 

たぶんね、あなたが電磁気ができない1番の理由って「電気力線」じゃありません?

 

電気力線で、つまづいてる。

 

電気力線で、他の用語が意味わからんくなってる。

 

だってさ、

電気力線なんて、ここまでの説明を聞いてやっと理解できる高度な代物だからだわ

 

ここまでの説明が、大前提。

 

各物理用語のつながりと単位が頭に入っている人が、問題を簡単に解くために使うのが電気力線なのよ

 

ね?

 

知ってました?

 

電気力線は、高度な代物。

 

今までの単位とは、まったく別の考え方で生まれたオ・マ・ケが電気力線なんです。

 

オマケ。

 

知らなくても、問題は解けます。

 

電気力線そのものの使い方を問う問題以外なら、知らなくて大丈夫。

 

なのに、高校物理では真っ先に習うんです。

 

パッと見分かりやすいから。

 

説明しやすいから。

 

そんな理由で教えられたら、たまったもんじゃないんですけど。

電気力線は、目に見えない電気の力を「本数で数えたい!」という欲から生まれた

ああ、欲深い。

 

だから、電磁気学がこうも複雑になったのに。

 

ああ、電束と電気力線は違います。

(ここからフクザツ)

 

目に見えない電気の力は電束(電荷量)Qでも表したんですが、

 

電荷量Qをもつ=電束Qが出せる、つまり、電束()をQだけ出す能力がある物体という意味。

 

で、

電束は「量」なのです。

 

本数じゃない。

 

電束は矢印の本数ではなく「量」で、空間中の電気的な力を測っている。

 

そこでね、どっかの誰かが

電気の力を矢印の本数で表したい!

と言い出したんですよ。

 

もうね

 

善意だったとは思うんですが。

 

これで、フクザツになったのさ。

 

その人は、

電束(電荷量)Qを「その空間の誘電率ε」で割った値を

電気力線の本数[本]

としたのです。

 

電気力線の本数[本] = 電束(電荷量)Q[C] / その空間の誘電率ε[F/m]

 

ですね。

 

こう定義した。

こう定義したことで、空間中の電気的な力を矢印の本数で表せるようになったんですが、、

じゃあ、電気力線って結局なんなの!?

って話ですよね。

 

電束と同じようで、少し違う。

 

わけわからん用語(定義)が、生まれてしまったわけです。

 

じゃあ、電気力線とは?

 

説明しよう!

元から電荷量=電束(電荷を持った物体からは、目に見えない線が出ているという考え方)という考え方はあったが、本数ではなく数値の大小でしか見れなかったのだ!

だから、本数で数えたい!という声が多数に!電気力線が生まれたのだ

 

もう少し詳しくいうと、

 

電気力線とは

 

「電荷量Q=電束()をQだけ出す能力がある」って説明がわかりづらいから、Qεで割って「電気力線がQ/ε本出ている」と説明したもの。

ですね。

 

電荷量Qをもつ=電束()をQだけ出す能力がある

電荷量Qをもつ=電気力線がQ/ε本出ている

 

うーん。

 

わかりやすくなってしまった。

 

この説明のしやすさだけのための定義。

 

それが、

 

電気力線の本数[本] = 電束(電荷量)Q[C] / その空間の誘電率ε[F/m]

 

なんですわ。

磁気力線は存在しないぜ!

そんでね、わかりづらいことに「磁気力線」はありません。

 

磁気は磁束の「量」で測ってください。

 

本数で測るシステムはありません。

 

ははっ

 

紛らわしいなあ。

 

おまけ。

磁束と磁気量に使う記号なんですが、(単位は同じ)

 

磁束にΦ[Wb]を使い、磁気量にm[Wb]と記号を使い分けている。

空間中の磁束を表す時はΦを使い、物体がもつ磁束を出す能力(磁気量)を表す時にはmを使う。

 

みたいです。

 

お役に立てば。

 

それでは!