電気と磁気は同じなんだ。
用語と単位をよーく見てみて。
電場[N/C,V/m]
磁場[N/Wb,A/m]
電束、電荷量[C]
磁束、磁気量[Wb]
電束密度[C/m2]
磁束密度[Wb/m2,T]
誘電率[F/m]
透磁率[H/m]
電気容量[F]
インダクタンス[H]
(高校で使う値と単位のみに絞った)
ね、わかるかい?
電気と磁気で出てくる単位は、同じ形をしているんだ。
電場[N/C,V/m]と磁場[N/Wb,A/m]
電場と磁場は重力加速度(重力場)gと同じ。
重力場g[N/kg,m/s2]:1[kg]当たりにかかる力の大きさ
電場E[N/C,V/m]:1[C]当たりにかかる力の大きさ
磁場H[N/Wb,A/m]:1[Wb]当たりにかかる力の大きさ
ね?
ちゃんと揃えてあるでしょ?
だから、電束(電荷量)と磁束(磁荷量)は質量mと同じ。
質量 m[kg]
電束、電荷量 Q[C]
磁束、磁気量 Φ,m[Wb]
電束・磁束というのは、向きをもった線の束のこと。
電荷量Qをもつ=電束Qが出せる、つまり、電束(→)をQだけ出す能力がある物体という意味。
磁気量mをもつ=磁束mが出せる、つまり、磁束(→)をmだけ出す能力がある物体という意味。
これ、意外と大事。
重力は線で考えないけど、
電磁力では見えない力を線で考えるからね。
電荷量と電束は同じ。
磁気量と磁束は同じ。
質量と電荷量(電束)と磁荷量(磁束)は、扱いが同じ。
電束密度[C/m2]と磁束密度[Wb/m2,T]
これらは、その密度のこと。
単位面積あたりを通り抜ける電束、磁束のこと。
見えない力を「線の密度」で捉えるのが電磁力だね。
誘電率[F/m]と透磁率[H/m]
誘電率、透磁率は線が通る「場」の定数。(係数)
これらを場(電場E,磁場H)にかけてあげると、電束密度,磁束密度になる。
電束密度D = 誘電率ε × 電場E
磁束密度B = 透磁率μ × 磁場H
そういう定数だと覚えておけばOK。
(詳しい意味は、大学レベルだから聞かないで。線が通る「場」の定数なのだよ。)
電気容量[F]とインダクタンス[H]
じゃあ、これらは?
電気容量は、どれだけの電荷を溜められるかということですよね?
インダクタンスは、、、、
うーん。
インダクタンスが難しい。
でも、蓄えられるエネルギーの話なら同じなんだ。
コンデンサに蓄えられる静電エネルギー
1/2 CV2
コイルに蓄えられる磁気エネルギー
1/2 LI2
ね?
同じでしょう。
1/2 CV2と、1/2 LI2。
エネルギーとして見れば、形が同じ。
電気容量 C[F]
インダクタンス L[H]
は、
コンデンサ・コイルにどれだけエネルギーを蓄えられるか?の指標なのです。
そんでね、電気力線の立ち位置は特殊。たぶん、ゴミ。
電気力線。
私はダイキライです。
あなたも、嫌いになってください。
だってね、
電気力線のせいで、体系的な電磁気学がゴチャゴチャになってるからです。
たぶんね、あなたが電磁気ができない1番の理由って「電気力線」じゃありません?
電気力線で、つまづいてる。
電気力線で、他の用語が意味わからんくなってる。
だってさ、
電気力線なんて、ここまでの説明を聞いてやっと理解できる高度な代物だからだわ
ここまでの説明が、大前提。
各物理用語のつながりと単位が頭に入っている人が、問題を簡単に解くために使うのが電気力線なのよ
ね?
知ってました?
電気力線は、高度な代物。
今までの単位とは、まったく別の考え方で生まれたオ・マ・ケが電気力線なんです。
オマケ。
知らなくても、問題は解けます。
電気力線そのものの使い方を問う問題以外なら、知らなくて大丈夫。
なのに、高校物理では真っ先に習うんです。
パッと見分かりやすいから。
説明しやすいから。
そんな理由で教えられたら、たまったもんじゃないんですけど。
電気力線は、目に見えない電気の力を「本数で数えたい!」という欲から生まれた
ああ、欲深い。
だから、電磁気学がこうも複雑になったのに。
ああ、電束と電気力線は違います。
(ここからフクザツ)
目に見えない電気の力は電束(電荷量)Qでも表したんですが、
電荷量Qをもつ=電束Qが出せる、つまり、電束(→)をQだけ出す能力がある物体という意味。
で、
電束は「量」なのです。
本数じゃない。
電束は矢印の本数ではなく「量」で、空間中の電気的な力を測っている。
そこでね、どっかの誰かが
電気の力を矢印の本数で表したい!
と言い出したんですよ。
もうね
善意だったとは思うんですが。
これで、フクザツになったのさ。
その人は、
電束(電荷量)Qを「その空間の誘電率ε」で割った値を
電気力線の本数[本]
としたのです。
電気力線の本数[本] = 電束(電荷量)Q[C] / その空間の誘電率ε[F/m]
ですね。
こう定義した。
こう定義したことで、空間中の電気的な力を矢印の本数で表せるようになったんですが、、
じゃあ、電気力線って結局なんなの!?
って話ですよね。
電束と同じようで、少し違う。
わけわからん用語(定義)が、生まれてしまったわけです。
じゃあ、電気力線とは?
説明しよう!
元から電荷量=電束(電荷を持った物体からは、目に見えない線が出ているという考え方)という考え方はあったが、本数ではなく数値の大小でしか見れなかったのだ!
だから、本数で数えたい!という声が多数に!電気力線が生まれたのだ
もう少し詳しくいうと、
電気力線とは
「電荷量Q=電束(→)をQだけ出す能力がある」って説明がわかりづらいから、Qをεで割って「電気力線がQ/ε本出ている」と説明したもの。
ですね。
電荷量Qをもつ=電束(→)をQだけ出す能力がある
電荷量Qをもつ=電気力線がQ/ε本出ている
うーん。
わかりやすくなってしまった。
この説明のしやすさだけのための定義。
それが、
電気力線の本数[本] = 電束(電荷量)Q[C] / その空間の誘電率ε[F/m]
なんですわ。
磁気力線は存在しないぜ!
そんでね、わかりづらいことに「磁気力線」はありません。
磁気は磁束の「量」で測ってください。
本数で測るシステムはありません。
ははっ
紛らわしいなあ。
おまけ。
磁束と磁気量に使う記号なんですが、(単位は同じ)
磁束にΦ[Wb]を使い、磁気量にm[Wb]と記号を使い分けている。
空間中の磁束を表す時はΦを使い、物体がもつ磁束を出す能力(磁気量)を表す時にはmを使う。
みたいです。
お役に立てば。
それでは!