ー滑車の性質のすべてー
定滑車→糸の張力はどこでも同じ!
定滑車はそんだけ。
この$m$と$M$にかかる張力の大きさは等しく$T$とおける。
動滑車→糸の張力はどこでも同じ!
糸が力$T$引かれると、動滑車は上に$2T$で引かれる。
これが、動滑車の基本。
動滑車は、小さな力で「重いもの」を動かすために作られた。
ものを2倍の力で動かせる。
物理の「仕事」の話だね。
$$(仕事)=(力)×(距離)$$
わかるかい?
動滑車は、
人の「力」→ものに伝わる「力」
の間に
仕事(エネルギー)を挟むための道具。
一度「仕事(エネルギー)」に変換することで、
$$(仕事)=(力)×(距離)$$
を使えるようにした。
つまりは、
「距離」を使えるようにしたんだ。
力だけでなく、
「距離」を使ってものを動かす。
これが、仕事の概念。
同じ力でも
動く距離を半分にする
↓
$$(仕事)=(力)×(距離)$$
によって
仕事(エネルギー)が倍になる
↓
伝わる力が倍になる
というように。
言い換えれば、
テコの原理を使えるようにする。
そのための道具なんだ。
だから、
「力」は倍になるけど、それ以外は半分になる。
糸が長さ$l$引かれると、滑車は上に$\frac{1}{2}l$だけ上がる。
糸が速さ$v$で引かれると、滑車は上に$\frac{1}{2}v$で上がる。
糸が加速度$a$で引かれると、滑車は上に$\frac{1}{2}a$で上がる。
「力」は倍になるけど、それ以外は半分。
これが動滑車の性質のすべて。
覚えておいてね。
倍になるのは
何の力?→動滑車が持ち上げられる力。
半分になるのは
何の距離?→動滑車が持ち上げれる距離。
何の速さ?→動滑車が持ち上げられる速さ。
何の加速度?→動滑車が持ち上げられる加速度。
ー滑車の問題たちー
- 【物理のエッセンス(力学)問45-2】動滑車の「運動方程式」の問題。動いている時の滑車の解き方はこちらです。
- 【物理のエッセンス(力学)問45-1】動滑車の「つり合い」の問題。
- 【物理のエッセンス(力学)問44(d)】滑車で釣られる2物体。片方が斜面に乗っている時の糸の張力は?(動いている、摩擦あり)
- 【物理のエッセンス(力学)問44(b)】摩擦力がある場合の運動方程式は?少し難しくなりますね。
- 【物理のエッセンス(力学)問43(d)】滑車で釣られる2物体。片方が斜面に乗っている時の糸の張力は?(動いている)
- 【物理のエッセンス(力学)問43(c)】滑車で釣られた2物体が動いている時の糸の張力は?
- 【物理のエッセンス(力学)問43(b)】運動方程式の基礎的な問題2つ目。
- 【物理のエッセンス(力学)42問】斜面上の物体とつるされた物体が糸で結ばれていて、等速vで動いている。でも、運動方程式で解けるんだね。