物理の問題の解き方3ステップ。

1.目の前で起こっている現象を「把握」する。

→力の作図をして、図に書き出す。

2。公式に当てはめて、方程式をたてる。

→力なら、運動方程式(F=ma)に当てはめるだけ。

3.方程式を計算する。

物理の問題はすべて、この3ステップで解いていきます。

 

そのためには、まず、

はたらいている力を図に「正しく」記入することが必要です。

 

物理は「作図」で勝負が決まります。

 

逆に言えば、

作図さえ完璧にできれば、物理に怖いところなんて1つもないんです。

ルールさえ守っていれば、間違えることはありません。

力の作図にはルールがあります。

 

逆に言えば、

ルール通り作図すれば、間違えることはないんです。

 

貴方の直感も、物理のセンスも一切いりません。

 

みんな間違えるのは、

・途中を「わかる」からって飛ばしたり、

・「なんとなくこんな感じだろう」と感覚で問題を解くから

なんですよね。

 

絶対にルールを守ってください。

 

たとえ、

感覚的に答えがわかっても、楽ができそうでも、

ルール通りに、論理的に解くのが物理です。

 

ルールを厳守して、ちゃんと1つずつステップを踏んでください。

 

物理が解ける人、解けない人の差は、

ルールを守っているかどうか

にしかありません。

 

感覚は捨ててください。直感も捨ててください。

ただ、ルール通りにとけば「正解」できます。

 

絶対に、ルールを破らないこと。

 

・・・私は、言いましたからね?

 

ルールを守らない貴方が、

物理を解けるようになることは「絶対に」ありません。

力の作図には、基本ルールがあります。

たとえば、物体A物体Bの上に乗っていて、

物体Bが右向きに力Fで引っ張られていたとします。

(mA:物体Aの質量、mB:物体Bの質量、g:重力加速度)

 

ルールその1.

1つの物体に注目して、その物体にはたらく力を作図する。

まずは、1つの物体に注目して、力の作図をします。

 

ここでは、「物体Aにはたらく力」から作図していきましょうか。

 

「物体Aにはたらく力」を作図すると・・・

NA:物体Aが物体Bから受ける垂直抗力、fA:物体Aが物体Bから受ける摩擦力

 

まずは、1つの物体が受ける力をすべて書き込むこと。

 

今回は、物体Aが受ける力をすべて書き込みました。

 

ルールその2.

わからない力は、すべて文字で置く。

たとえ問題文に書いてなくても、

わからない力はすべて、自分で決めた文字で置きます。

 

よくあるのは、

N(垂直抗力)とf(摩擦力)を自分で置くパターンです。

 

ルールその3.

物体が接していたら、『必ず』N(垂直抗力)とf(摩擦力)が存在する。

→絶対に書き込むべし!

物体が接していたら、『必ず』N(垂直抗力)とf(摩擦力)を書き込みましょう。

 

書かなかった時点で、その問題は0点になりますから。

絶対に書き込んでください。

【接点にN(垂直抗力)とf(摩擦力)があるパターン】

・物体が床と接している。

・物体が壁と接している。

・2つの物体が接している。

これは、その接点に必ず、

N(垂直抗力)とf(摩擦力)があるパターンです。

 

今回も物体A物体Bが接しているので、

物体Aに物体BからN(垂直抗力)とf(摩擦力)がはたらいてます。

 

N(垂直抗力)とf(摩擦力)を「書き込まない」例外パターンとしては、

・滑らかな床(面)と書いてある。→摩擦力なし

これだけです。

 

これ以外では必ず、N(垂直抗力)とf(摩擦力)を「存在すると仮定して」書き込んでください。

 

たとえ、計算の結果存在しなくても、N=0、f=0と求まるので大丈夫です。

 

あと、力の方向の決め方ですが、

N(垂直抗力):接触面に垂直方向。

f(摩擦力):接触面に水平方向のどちらでもOK。

N(垂直抗力)の方向は、接触面に垂直方向ですね。

 

f(摩擦力)の方向は、接触面に水平方向のどちらでも構いません。

もし実際は逆向きだったら、計算の結果がマイナスで出るだけですからね。計算の結果で方向がわかるので、適当に置いちゃってください。

ルールその4.

摩擦力fの方向は、接触面の水平方向ならどっちに書いてもよし。

→計算の結果で「正しい」方向がわかるから。プラスなら同方向、マイナスなら逆方向。

これで、物体Aが受ける力の作図がすべて終わりました。

 

1回、ここまでの流れを確認しましょうか。

1.物体Aに注目する。

2.物体Aに地球からはたらく引力(=重力)のmAgを書き込む。

3.物体Aは物体Bと接しているから、物体Aに物体Bからはたらく、N(垂直抗力)とf(摩擦力)を書き込む。(NAとfAを自分で文字で置いた)

 

次に、物体Bが受ける力の作図にいきますね。

NB:物体Bが物体Aから受ける垂直抗力、fB:物体Bが物体Aから受ける摩擦力、

N:物体Bが床から受ける垂直抗力、f:物体Bが床から受ける摩擦力

 

ルールは物体Aと同じです。

ルールその2.

わからない力は、すべて文字で置く。

ルールその3.

物体が接していたら、『必ず』N(垂直抗力)とf(摩擦力)が存在する。

→絶対に書き込むべし!

ルールその4.

摩擦力fの方向は、接触面の水平方向ならどっちに書いてもよし。

→計算の結果で「正しい」方向がわかるから。プラスなら同方向、マイナスなら逆方向。

ですね。

 

今回は、

物体B物体Aが接していたので、NB(垂直抗力)とfB(摩擦力)を書き込みました。

 

あと、

物体Bと床が接していたので、N(垂直抗力)とf(摩擦力)を書き込みました。

 

あ、そういえば、

作用反作用の法則より、

・「NBの大きさ」=「NAの大きさ」

・「fBの大きさ」=「fAの大きさ」

(どちらも方向は逆向きなので、同じなのは「大きさ」ですね)

は明らかですが・・・先走っちゃダメですよ?

 

必ず「NB、NA、fB、fA」と、別々の文字で置いてください。

 

本来は別個の力なので、

ルール的には別々に書かなきゃいけないんです。

(ここをまとめてしまう問題集も多いんですがね・・・)

 

たとえ、

感覚的に答えがわかっても、楽ができそうでも、

ルール通りに、論理的に解くのが物理ですから。

 

ミスなく解きたければ、1つずつステップを踏んで、ルール通りに解いていってください。

 

すると、この図が完成します。(さっきと同じ図です)

 

ここまでの流れを確認すると、

1.物体Aに注目する。

2.物体Aに地球からはたらく引力(=重力)のmAgを書き込む。

3.物体Aは物体Bと接しているから、物体Aに物体Bからはたらく、N(垂直抗力)とf(摩擦力)を書き込む。(NAとfAを自分で文字で置いた)

4.物体Bに注目する。

5.物体Bに地球からはたらく引力(=重力)のmBgを書き込む。

6.物体Bは物体Aと接しているから、物体Bに物体Aからはたらく、N(垂直抗力)とf(摩擦力)を書き込む。(NBとfBを自分で文字で置いた)

7.物体Bは床と接しているから、物体Bに床からはたらく、N(垂直抗力)とf(摩擦力)を書き込む。(Nとfを自分で文字で置いた)

ですね。

 

これで、力の作図は完成です!

力の作図のルールまとめ

ルールその1.

1つの物体に注目して、その物体にはたらく力を作図する。

今回は、物体Aにはたらく力をすべて作図してから、次に物体Bにはたらく力を作図しましたね。

 

ルールその2.

わからない力は、すべて文字で置く。

たとえ問題文に書いてなくても、

わからない力はすべて、自分で決めた文字で置きます。

 

よくあるのは、

N(垂直抗力)とf(摩擦力)を自分で置くパターンでしたね。

 

ルールその3.

物体が接していたら、『必ず』N(垂直抗力)とf(摩擦力)が存在する。

→絶対に書き込むべし!

【接点にN(垂直抗力)とf(摩擦力)があるパターン】

・物体が床と接している。

・物体が壁と接している。

・2つの物体が接している。

 

N(垂直抗力)とf(摩擦力)を「書き込まない」例外パターンとしては、

・滑らかな床(面)と書いてある。→摩擦力なし

これだけでしたね。

 

これ以外では必ず、N(垂直抗力)とf(摩擦力)を「存在すると仮定して」書き込んでください。

(もし存在しないなら、N=0、f=0と求まるだけなので大丈夫です)

 

あと、力の方向の決め方は、

N(垂直抗力):接触面に垂直方向。

f(摩擦力):接触面に水平方向のどちらでもOK。

ルールその4.

摩擦力fの方向は、接触面の水平方向ならどっちに書いてもよし。

→計算の結果で「正しい」方向がわかるから。プラスなら同方向、マイナスなら逆方向。

f(摩擦力)がもし、実際は逆向きだったら、計算の結果がマイナスになるだけです。

計算の結果で方向がわかるので、適当に置いてOKなんでした。

 

 

では、次回は、

1.目の前で起こっている現象を「把握」する。

→力の作図をして、図に書き出す。

2。公式に当てはめて、方程式をたてる。

→力なら、運動方程式(F=ma)に当てはめるだけ。

3.方程式を計算する。

の2番、「公式に当てはめて、方程式をたてる。」を解説していきますね!

 

それでは、また次回。

 

続きはこちら

【物理の解き方3ステップ(その2,3)】運動方程式(F=ma)を『正しく』たてる方法